株価下落に耐えたのは6万ドル台の厚い層でした。ビットコインは中東リスクの波を受けつつもオンチェーン上で新たな支持帯を形成しています。外部要因の波及には引き続き様子を見極める局面ですね。 #ビットコイン #オンチェーン
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導入
Bitcoin価格が一時6万ドル台半ばまで下落した後、7万ドル付近まで回復した。きっかけは中東情勢の緊迫と原油価格の急騰。オンチェーンデータは、6万〜7万ドル帯に新たなサポートゾーンが形成されつつあることを示している。
2026年3月10日付のBitcoin Magazineの報道(著者:Micah Zimmerman)を基に、今回の価格変動の背景と市場構造の変化を整理する。原油ショックがなぜBitcoinに波及したのか、そしてオンチェーン上の動きが何を意味するのか。
背景と課題
週末にかけてホルムズ海峡付近で物流の混乱が発生し、原油価格が1バレル100ドルを超えた(Bitcoin Magazine報道)。エネルギー価格の急騰はインフレ懸念を再燃させ、株式市場を含むリスク資産全般に売り圧力をもたらした。
Bitcoinも例外ではなかった。初期の売りの局面では株式と連動して下落し、一時6万ドル台半ばまで値を下げた。その後、週明けにドナルド・トランプ米大統領がイランとの対立が予想より早期に終結する可能性を示唆するコメントを発表。これを受けて原油価格は週末の高値から下落し、株式市場も反発、Bitcoinを含むリスク資産全体が持ち直した。
マーケットメーカーのEnfluxは、今回のエネルギー主導のリスクオフ局面において、Bitcoinは他の資産と比較して底堅い値動きを見せたと指摘している(Bitcoin Magazine報道)。原油が急騰し株式が下落する中でも6万ドル台半ばで安定したという点は、従来の「リスク資産=一律売り」という構図に変化が生じている可能性を示す。
正直なところ、原油ショック時にBitcoinが株式と完全に同期して暴落しなかったことは注目に値する。2022年の金利上昇局面では株式とBitcoinの相関が極めて高かったが、今回の局面ではBitcoinが相対的に早く下げ止まった点が、資産クラスとしての位置づけの変化を示唆している可能性がある。
地政学リスクとエネルギー価格の関係は、今後もBitcoin市場に断続的な影響を与え得る要因だ。
技術の核心
今回の調整局面で最も注目されるのは、オンチェーンデータが示すサポートゾーンの形成である。Glassnodeのブロックチェーンデータによれば、価格下落の過程で6万ドル〜7万ドルの価格帯において約60万BTCが取引された(Glassnodeデータ、Bitcoin Magazine報道)。金額にして400億ドル超(約6兆円相当、1ドル=約150円換算)に達する。このうち20万BTC以上が直近2週間に集中した。
この結果、6万ドル〜7万ドル帯で最後に移動したBTCの総量は約155.8万BTCとなった。年初時点では約99.7万BTCだったため、約56万BTCが新たにこの帯域で取得原価を持つことになった(Glassnodeデータ、Bitcoin Magazine報道)。
「サポートゾーン」とは、多くの保有者の取得原価(購入時の平均価格)が集中する価格帯のことだ。ここに価格が近づくと、含み損を抱えた保有者が損切りを避けて売り圧力が弱まる傾向がある。逆にこのゾーンを明確に割り込むと、損切り売りが連鎖して下落が加速するリスクもある。
Checkonchainのデータでは、流通しているBitcoinの約60%が現在含み益の状態にあり、残り約40%の保有者は7万ドル以上の取得原価を持っている(Checkonchainデータ、Bitcoin Magazine報道)。このエントリーポイントの偏りは、7万ドルを超えた水準での売り圧力が相対的に強くなりやすいことを意味する。
つまり現在の市場構造は「6万〜7万ドルが買い支え、7万ドル超で売り圧力が増す」という、明確なレンジを形成しやすい状況にある。
応用と市場への影響
機関投資家の資金動向
価格が乱高下する中でも、機関投資家の資金流入は続いた。米国のスポットBitcoin ETF(上場投資信託)は先週、5週間の資金流出の後、約5億6,800万ドル(約852億円相当)の純流入を記録した(SoSoValueデータ、Bitcoin Magazine報道)。ローンチ以来の累計純流入額は550億ドル超(約8兆2,500億円相当)に達している。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 記事公開時の価格 | 約70,000ドル(約1,050万円) |
| 執筆時の価格 | 約69,400ドル(約1,041万円) |
| 早朝高値 | 71,000ドル超 |
| 調整時の安値帯 | 6万ドル台半ば |
| 6万〜7万ドル帯の取引量(調整期間中) | 約60万BTC(400億ドル超相当) |
| 6万〜7万ドル帯の保有量合計 | 約155.8万BTC |
| 米国スポットBitcoin ETF 先週の純流入 | 約5億6,800万ドル(約852億円) |
| 米国スポットBitcoin ETF 累計純流入 | 550億ドル超(約8.25兆円) |
※1ドル=約150円換算。データはBitcoin Magazine報道(Glassnode、SoSoValue、Checkonchain)に基づく
Strategyの大規模追加購入
Strategyは先週、12億8,000万ドル(約1,920億円相当)を投じて17,994BTCを追加購入したと発表した(Bitcoin Magazine報道)。これにより同社の保有総量は738,731BTCとなり、現在の価格で約500億ドル(約7.5兆円)相当に達している。
Nasdaqのトークン化株式
マクロ経済の動きとは別に、資本市場側でも注目すべき動きがあった。Nasdaqが暗号資産取引所Krakenの親会社であるPaywardと提携し、トークン化された株式の発行を計画している(Bitcoin Magazine報道)。
この枠組みでは、上場株式やETF商品をブロックチェーン上でトークン化し、KrakenのxStocksプラットフォームを通じて配布する。既存の株主権利やコーポレートガバナンスの構造は維持される設計だ。規制当局の承認を条件に、2027年前半のローンチを目指している。
データを追ってみた感覚だと、Nasdaqのトークン化株式構想は株式市場と暗号資産市場の境界をさらに曖昧にする可能性があるものの、規制承認のハードルは極めて高い。特に米国SECの姿勢が読みにくい現状では、スケジュール通りに進むかどうかは不透明だ。
よくある誤解ミニコーナー
誤解①:「Bitcoinは安全資産だから原油ショックで下がらない」
今回の局面でBitcoinは6万ドル台半ばまで下落している。短期的にはリスク資産として株式と連動して売られる場面がある。ただしEnfluxの分析では、他の資産と比較して相対的に底堅かったとの評価もある。「安全資産」かどうかは局面によって異なる。
誤解②:「サポートゾーンがあれば価格は絶対に下がらない」
サポートゾーンは多くの保有者の取得原価が集中する帯域であり、売り圧力が弱まりやすい傾向を示すにすぎない。マクロ環境の急変や大口の損切りが連鎖すれば、サポートゾーンは容易に崩壊する。過去にも「鉄壁」と呼ばれたサポートラインが一気に割れた事例は多い。
誤解③:「ETFに資金が流入していれば価格は上がり続ける」
ETFの純流入が再開したのは事実だが、その前には5週間連続で資金が流出していた。ETFの資金動向は市場センチメントの一指標にすぎず、流入が続いても外部要因(地政学リスク、金利動向など)で価格が下落することは十分にある。
レベル別アクション
初心者向け
- オンチェーンデータの基本的な読み方(取得原価分布、含み益・含み損の割合)を学ぶ。Glassnodeの無料レポートが参考になる
- 原油価格や地政学リスクがBitcoinに影響するメカニズムを理解する。「リスクオン・リスクオフ」の概念を押さえておく
- ETFとは何か、スポットETFと先物ETFの違いを確認する
中級者向け
- Glassnodeなどのツールで、UTXOの実現価格分布を自分で確認してみる。6万〜7万ドル帯の密度が本当に高いかを検証する
- ETFの純流入額をSoSoValueなどで定期的に確認し、機関投資家の動向をモニタリングする
- Nasdaqのトークン化株式構想について、規制面の進捗をウォッチリストに追加する
保存用チェックリスト
- □ オンチェーン分析ツール(Glassnode、Checkonchain)をブックマークした
- □ ETF資金フローの確認先(SoSoValue)をブックマークした
- □ 原油価格の推移を確認するニュースソースを設定した
- □ 自分のBitcoin取得原価とサポートゾーンの位置関係を把握した
- □ 含み損が発生した場合の行動計画(損切りライン、追加購入ライン)を事前に決めた
未来展望とリスク
中東情勢は依然として流動的だ。トランプ大統領の発言で一時的にリスクオフが後退したものの、ホルムズ海峡の物流リスクが完全に解消されたわけではない。原油価格が再び急騰すれば、Bitcoinを含むリスク資産に再度売り圧力がかかる可能性がある。
6万〜7万ドルのサポートゾーンは現時点では厚みを増しているが、マクロショックの規模次第では機能しない場面も想定すべきだ。特にBitcoin保有者の約40%が7万ドル以上の取得原価を持っている以上、7万ドル超での上値は重くなりやすい。
Nasdaqのトークン化株式は2027年前半の予定だが、規制承認が前提条件であり、実現するかどうかは現時点で断定できない。同様の構想が過去にも発表されながら実現に至らなかったケースがあることは念頭に置くべきだ。
日本居住者がBitcoinを取引する場合、国内の金融庁登録済み取引所を利用することが原則となる。海外取引所は金融庁未登録の業者が多く、日本の投資者保護制度の対象外である。また、暗号資産の利益は雑所得として最大55%(所得税+住民税)の課税対象となる点にも注意が必要だ。
まとめ
原油ショックをきっかけに6万ドル台半ばまで下落したBitcoinは、7万ドル付近まで回復した。Glassnodeのデータが示す6万〜7万ドル帯の保有集中(約155.8万BTC)は、新たなサポートゾーンとして機能し得る。一方、保有者の約40%が7万ドル超の取得原価を持つため、上値の重さも意識される構造だ。
ETFへの資金流入再開、Strategyの738,731BTCへの保有拡大、Nasdaqのトークン化株式構想と、市場を取り巻く材料は多い。ただし中東情勢という外部変数は依然として不確実性が高い。
サポートゾーンが本当に「堅い底」になるのか、それとも次のショックで崩れるのか。今後のオンチェーンデータの推移が一つの判断材料になるだろう。
難しい用語ミニ解説(3つ)
オンチェーンデータ:ブロックチェーン上に記録されたすべての取引データのこと。どのアドレスがいつ、いくらでBitcoinを購入・移動したかを分析することで、市場参加者の行動パターンや取得原価の分布を把握できる。Glassnodeなどの分析プラットフォームがこのデータを集計・可視化している。
スポットBitcoin ETF:Bitcoin現物を裏付け資産として保有する上場投資信託。投資家は証券口座から間接的にBitcoinへ投資でき、ウォレット管理や秘密鍵の管理が不要。米国では2024年1月に初承認され、機関投資家の参入チャネルとして機能している。
トークン化株式:既存の上場株式をブロックチェーン上のトークンとして表現したもの。24時間取引や小口分割が可能になる利点がある一方、法的な株主権利の保全や規制対応が大きな課題として残る。Nasdaqが計画しているのは、既存の株主権利を維持しながらブロックチェーン上で決済・流通させる仕組み。
参照リンク・情報源
- Bitcoin Magazine:元記事(Micah Zimmerman著、2026年3月10日)
- Glassnode:オンチェーン分析プラットフォーム公式サイト
- SoSoValue:ETF資金フローデータ
本記事は情報提供を目的としています。最新情報は必ず公式サイト・取引所でご確認ください。
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