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7万ドルの壁が反発の行方を決める。ビットコインの支持帯を守る条件

反発の勢いだけで判断するのは早計かもしれません。は大きく上昇しましたが、7万ドル付近の厚い壁を越えられるかが今後の焦点になります。市場の構造やデータの変化を冷静に観察したい局面です。 #ビットコイン #暗号資産

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ご注意:暗号資産は価格変動が極めて大きい資産です。本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

導入

が63,030ドル(約945万円)から74,000ドル(約1,110万円)まで約17%反発した。だが、オンチェーンデータは70,000ドルを週足で上抜けできなければ60,000ドル台への回帰を示唆する。反発の「質」がいま問われている。

2026年3月初旬、米国とイスラエルによるイラン攻撃がリスクオフの連鎖を引き起こし、Bitcoinは急落した。その後の急反発は力強く見えるが、Glassnodeのオンチェーン分析は複数の脆弱さを指摘している。本記事では、元記事の数値と分析を整理しつつ、この反発が本物かどうかを読み解く。

背景と課題

急落のきっかけは地政学イベントだった。米国・イスラエルのイラン攻撃が報じられると、市場全体でリスク資産の投げ売りが発生。Bitcoinは63,030ドル(CryptoSlate報道)まで下落した。

その後、3月4日の日中取引で74,000ドルに到達。記事執筆時点(CryptoSlate基準)では73,613ドルで、24時間騰落率は+7.7%(CryptoSlate報道)だった。安値からの反発幅は約17%に及ぶ。

課題は明確で、70,000ドルの壁を「抵抗帯」から「支持帯」に転換できるかどうか。Glassnodeは、2月上旬以降Bitcoinが70,000ドルを週足終値で上回れていない点を繰り返し指摘している。ここを越えられなければ、60,000〜69,000ドルの需要帯が本当の買い場として再浮上する構図になる。


図解:Bitcoinの主要価格帯と抵抗・支持ゾーンの関係

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技術の核心

70,000ドル帯のオーバーヘッド分布バンド

Glassnodeによると、保有期間1週間〜1カ月の投資家の取得原価が70,000ドル付近に集中している。具体的には、68,500〜71,500ドルの±2%帯が「オーバーヘッド分布ゾーン」と呼ばれる領域で、この価格帯に達すると損益分岐点に近い保有者が売りに転じやすい。

63,030ドルから74,000ドルまでの反発幅のうち、70%を維持するラインは70,709ドル、60%維持ラインは69,612ドル。この2つの水準がGlassnodeの分布バンドとほぼ一致する点は注目に値する。70,700ドルを維持できれば反発の大半を保持、69,600ドルを割れば70,000ドルが再び供給帯として機能し始める。

75,000ドルのガンマ集中とオプション構造

75,000ドルには約23億ドル(約3,450億円、1ドル=約150円換算)のネガティブガンマ(オプション売り手側のリスク指標)が集中している(Glassnode分析)。そのうち18億ドルは3月27日満期に偏る。

ネガティブガンマとは、オプションの売り手がポジション調整のためにヘッジ売買を行う際に、価格変動を増幅させる力のこと。75,000ドル付近では価格が「引き寄せられる」一方、実際のスポット需要がなければ方向感のない揉み合い(チョップゾーン)に陥る。

また、75,000ドルストライクのネットコールプレミアム(コールオプション買いの超過額)は1,450万ドル(Glassnode分析)で、その3分の2が直近1週間で積み上がった。コール偏重は上昇期待の表れだが、オプション市場だけでは持続的な上昇にはならない。

買い手側の流動性は「薄い」

実現利益(保有者が利益確定した際の利益額)の30日移動平均は、1日あたり10億ドル超から約3億7,000万ドル63%縮小した(Glassnode分析)。Glassnodeはこれを「買い手側の流動性が薄い状態」と位置づけている。反発を維持するには、実現利益が再び拡大に転じ、買い手がプレミアムを払う意思を示す必要がある。

利益圏にある供給割合は約57%で、マイナス1標準偏差の閾値である60%を下回っている。Glassnodeはこの「ストレス状態」を、2022年5月や2018年11月の弱気相場初期と比較している。60%を回復し上昇トレンドに入ることが、ストレス脱却の条件だとされる。

応用と市場への影響

スポット取引フローの偏り

スポット市場では、Coinbase(コインベース)の累積出来高デルタが反転し始め、買い側の動きが見え始めた(Glassnode分析)。一方、Binance(バイナンス)および取引所全体のフローは弱いまま。ただし「下落加速はしていない」段階にある。

正直なところ、Coinbaseだけで買い支えが進む構図はかなり脆弱だと考えている。米国の機関投資家や大口投資家が再参入の兆候を見せているとしても、国際市場やリテール(個人投資家)のフローが追随しなければ、局所的なリリーフラリー(安堵感による一時的反発)に留まる可能性が高い。

Bitcoin現物ETFのフロー

急落前には現物ETFから資金流出が続いていたが、フローは安定化に向かっている。Farside Investorsのデータによれば、3月2日に4億5,820万ドルの純流入、3月3日に2億2,520万ドルの純流入が記録された(Farside Investors)

Glassnodeは「持続的な反転と断定するには時期尚早」としつつ、複数日にわたる純流入の継続と7日移動平均のプラス転換が起これば、スポット側の支えになると述べている。逆に、価格が70,000ドル付近で停滞したまま再びフローがマイナスに転じれば、反転リスクが再燃する。

デリバティブ市場の状況

パーペチュアル(無期限先物)のディレクショナルプレミアムはサイクル安値付近まで圧縮されており、レバレッジが洗い流された状態。一方、レバレッジをかけた強気派が慎重なままである点も意味する。プレミアムが安定しつつスポット条件が改善する展開が健全な保持パターンとされる。

オプション市場では、プット・コール比率が2月28日の安値時点の1.89から0.4まで急低下(Glassnode分析)。スキュー(下落リスクの織り込み度合い)も20台半ばから10台前半へ圧縮され、下方向への恐怖は後退した。

Bitcoin 主要データ一覧(CryptoSlate報道時点)
項目 数値
報道時価格 73,613ドル(約1,104万円)
24時間騰落率 +7.7%
直近安値(急落時) 63,030ドル(約945万円)
直近高値(3月4日日中) 74,000ドル(約1,110万円)
安値からの反発幅 約17%
オーバーヘッド分布帯 68,500〜71,500ドル
75,000ドルのネガティブガンマ 約23億ドル(約3,450億円)
ETF純流入(3月2日) 4億5,820万ドル(約687億円)
ETF純流入(3月3日) 2億2,520万ドル(約338億円)

※1ドル=約150円換算。数値はすべてCryptoSlateおよびGlassnode、Farside Investors報道時点のもの。

よくある誤解ミニコーナー

誤解①:「17%も反発したのだから、もう安心だ」

反発の幅だけでは安全性は判断できない。Glassnodeが指摘するように、利益圏にある供給割合は57%に低下しており、これは過去の弱気相場初期と同水準。反発幅ではなく、週足終値で70,000ドルを上回れるかが真のテストになる。

誤解②:「ETFに資金が戻ったから上昇トレンド再開」

3月2〜3日の純流入は確かにポジティブだが、Glassnodeも「持続的な反転と断定するのは時期尚早」と明言している。数日間の流入だけでトレンド転換と判断するのは早計。7日移動平均のプラス転換を確認したい。

誤解③:「75,000ドルを超えたらブレイクアウト確定」

75,000ドルにはオプション市場で巨額のネガティブガンマが集中している。価格が引き寄せられやすい反面、実需のスポット買いが伴わなければ、そこで方向感のない揉み合いに陥るリスクがある。「到達=ブレイク」ではない。

レベル別アクション

初心者向け

  • 70,000ドル付近がなぜ重要な分水嶺なのか、本記事の「オーバーヘッド分布バンド」の解説を読み返す
  • Bitcoinの「週足終値」の概念を理解する(日曜日のUTC 0時に確定するローソク足の終値)
  • 現物ETFの資金フローニュースを定期的にチェックする習慣をつける
  • 余剰資金の範囲を超えた投資をしない。損失を許容できる金額の把握が最優先

中級者向け

  • Glassnodeなどのオンチェーン分析ツールで「利益圏供給割合」と「実現利益の移動平均」を確認する
  • 週末の週足終値でBitcoinが70,000ドルを上回るか、69,600ドルを割るかに注目する
  • オプション市場のガンマ分布を把握し、75,000ドルストライクの建玉推移を追う
  • Coinbase以外の取引所(Binanceなど)の累積出来高デルタが改善するか観察する
  • 日本居住者が海外取引所を利用する場合、金融庁未登録業者であること、日本の投資者保護制度の対象外であること、暗号資産の利益は雑所得として最大55%(所得税+住民税)の課税対象であることを認識しておく

保存用チェックリスト

  • □ 週足終値で70,000ドルを超えたか確認する
  • □ ETFの7日移動平均がプラスに転じたか確認する
  • □ 利益圏供給割合が60%を回復したか確認する
  • □ 実現利益の30日移動平均が再拡大しているか確認する
  • □ Binance等の累積出来高デルタが反転したか確認する
  • □ 75,000ドル接近時にスポット出来高が伴っているか確認する

未来展望とリスク

元記事は3つのシナリオを提示している。

シナリオ1(反発維持):Bitcoinが70,700ドル以上を保持し、スポット買いとETF流入が拡大する場合。70,000ドルが支持帯に転換し、次のテストは75,000ドル。週足終値で70,000ドル超えが確認されれば転換のサインとなる。

シナリオ2(膠着):68,500〜71,500ドルの範囲で揉み合い、週足で70,000ドルを抜けない場合。リリーフラリーがオーバーヘッド分布帯に吸収される展開。実現利益の再拡大とCoinbase以外への買い広がりがなければ、上方ブレイクは難しい。

シナリオ3(反発失敗):67,500ドルの日中安値を割り込み、70,000ドルが上方の壁として残る場合。60,000〜69,000ドルの需要帯まで再び下落する可能性がある。

データを追ってみた感覚だと、Glassnodeが2022年5月や2018年11月と比較している点はかなり重い。当時はいずれも長期の下落トレンドに突入した局面であり、現在の利益圏供給割合57%という水準が改善しないまま推移すれば、シナリオ3の実現確率は無視できない。

加えて、地政学リスクはまだ完全には沈静化していない。米国・イスラエル・イランを巡る情勢の変化が再びリスクオフを引き起こす可能性は残る。価格水準だけでなく、マクロ環境の動向にも注意が必要だ。

まとめ

Bitcoinは63,030ドルから74,000ドルまで約17%反発したが、その持続性は不透明なまま。70,000ドルの週足突破が最重要の分水嶺であり、Glassnodeのオンチェーンデータが示す買い手側流動性の薄さ、利益圏供給割合の低水準、Coinbase偏重のスポットフローなど、脆弱さを示すシグナルは複数ある。

ETF流入の安定化やオプション市場の恐怖後退は好材料だが、Glassnode自身が「持続的反転の確認には早い」としている。今後数日間の週足終値とスポットフローの広がりが、この反発の行方を決める。

読者の皆さんは、この70,000ドルの攻防をどう見ているだろうか。

難しい用語ミニ解説(3つ)

ネガティブガンマ

オプション取引における指標の一つ。オプションを売っている市場参加者(マーケットメイカーなど)が、価格変動に応じてヘッジの売買を行う必要がある状態を指す。この状態では、価格が特定の水準に近づくとヘッジ取引が価格変動を増幅させやすく、結果的にその価格帯が「磁石」のように機能する。

オーバーヘッド分布ゾーン

直近の購入者の取得原価が集中している価格帯。価格がこの帯に到達すると、損益分岐点に近い保有者が売りに転じやすく、上昇の「天井」として機能しやすい。Glassnodeは68,500〜71,500ドルをこのゾーンと位置づけている。

累積出来高デルタ(CVD)

取引所における「成行買い注文」と「成行売り注文」の差分を累積した指標。プラス方向に動けば買い圧力が優勢、マイナス方向なら売り圧力が優勢であることを示す。取引所ごとにCVDを比較することで、どの市場で買い手が活発なのかを把握できる。

参照リンク・情報源

執筆日時:2026-03-06T03:37:57.841Z
本記事は情報提供を目的としています。最新情報は必ず公式サイト・取引所でご確認ください。
投資判断は自己責任で行い、余剰資金の範囲内で取引してください。

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